頸椎ヘルニアは、頚の関節の間にある椎間板が何らかの要因に伴って突出することにより、頸の神経(脊髄や神経根)が圧迫または牽引され、頸から肩・上肢・指にかけての痛みやしびれ(電撃痛)、感覚障害、筋力低下をきたす疾患であります。
1.好発部位
第5-6頸椎にもっとも多く発生し、第4-5頸椎、第6-7頸椎と続きます。
退行変性(加齢変化)にともなって発生することが多いですが、スポーツ障害または交通事故等の急性外傷によっても発生します。
2.主な症状
頸から肩甲骨周囲、上肢・指先にかけての痛みやしびれ、感覚障害、筋力低下等が起こります。特にヘルニア側肩甲骨の内側の電撃痛が好発します。
ヘルニアが脊髄を圧迫すると、上肢だけでなく、下肢の筋力低下、感覚(深部感覚＝平衡感覚)障害、直腸膀胱障害をきたすこともあり、注意が必要です。直腸膀胱障害をきたした際には早急に救急医療の処置が必要となります。
3.治療方法
①頸椎をはじめとする脊柱全体の骨格アライメントの調整
頸椎ヘルニアだけにとどまらずヘルニアの治療において、脊柱全体のアライメトを整えることは、症状の改善のために最重要となります。
不良姿勢などが原因で1か所に異常な負荷がかかることが結果的にその部位にヘルニアを発生させていることも多く、脊柱アライメントの調整により、ヘルニア部周辺にかかっている不均一な負荷を解消させます。
②筋膜・関節包リリース
ヘルニア箇所周囲の筋肉、靭帯、関節包には高頻度で癒着がおこっています。癒着組織を丁寧に剥がす(リリースする）ことで、周囲の血流改善、神経圧迫刺激の解消を促します。
③姿勢改善、呼吸法指導
普段のわるい姿勢(猫背、平背)が特定の脊柱(椎骨)への負荷を増大させ、ヘルニアの原因になることは多々あります。正しい姿勢を習得することは、ヘルニアの予防、症状の悪化防止になるだけでなく、治療後のいい状態をより長持ちさせるためにも重要です。また正しい呼吸法を身に着けることも正しい姿勢の維持に貢献します。正しい姿勢と正しい呼吸法を身に着けていただきます。
とくやま徒手療法研究所・施術院
