めまい・吐き気と第1頸椎(環椎)のサブラクセーションの関係性

めまいや吐き気の原因は様々ありますが、第1頸椎(環椎)のサブラクセーションがトリガーとなって生じるものがあります。

正中環軸関節

※Atlas:第1頸椎(環椎)
 Axis:第2頸椎(軸椎)

頸椎は通常7つの骨(関節)で形成されておりますが、上図右のとおり、第1頸椎は環状の形状になっており、その中心に第2頸椎(軸椎)の歯突起が通過し、この2つの関節が合わさって、『正中環軸関節』を形成しています。

正中環軸関節の運動としては、環椎が軸椎上での回旋が主となります。つまり頭部の回旋に有利な形状となっており、環軸関節の回旋は頭部回旋運動の2/3以上を占めます。

環椎のサブラクセーション

上記のように、環椎は頸椎(頭部)の回旋に富んだ頸椎の1つでありますが、日常生活動作やスポーツ活動の繰り返し、あるいは交通事故などアクシデントで比較容易にサブラクセーション(ズレ)を起こしやすい関節でもあります。
(環軸関節周囲の靭帯によって制限されているため、普通に首を回しただけでずれるというわけではありません。)

上図のように、頸椎側面(横突孔)を椎骨動脈が上行しておりますが、この椎骨動脈は環椎を出た付近(上図の青〇部)で直角後方に方向を変え、その後また上行し、脳内を走行し血液を供給します。

第1頸椎(環椎)の回旋が何かの何らかの要因で過剰になり、その位置で固定されたりすると、椎骨動脈は容易に圧迫されます。椎骨動脈は脳内でも特に小脳などのに多く血液供給を行っており、身体の平衡感覚などを主に担う小脳への血液供給が阻害されることが、めまいや吐き気を催す原因になることが考えられます。

また下図のように、環椎前方は迷走神経などの脳と内臓(胃など)をつなぐ脳神経や交感神経などの自律神経の通り道でもあり、環椎(環軸関節)でのずれが、これらの神経を刺激することで、吐き気やその他自律神経症状を惹起させる可能性も考えられます。

治療アプローチ

第1頸椎(環椎)をはじめとする頸椎全体のアライメントを細かく触診することが最も重要です。その上で、可動域制限や症状のでる方向(左or右回旋)を確認し、第1頸椎(環椎)のサブラクセーションを修正していきます。症状によっては触診するだけで、めまいや吐き気が増悪することもあるため、よりソフトで繊細な手技が必要となります。また徒手療法適用外症状(脳疾患など)との鑑別診断も重要です。

とくやま徒手療法研究所・施術院

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