ビタミンCについて

ビタミンCは別名を「アスコルビン酸」とも言い、18世紀に発見されたビタミンです。
(正式にビタミンCとして発見されたのは20世紀に入ってから。)

当時はヨーロッパを中心に「壊血病」という難病が流行しており、これは血管壁のコラーゲン線維をはじめとする体内の種々の結合組織が形成不良となって出血傾向を来しやすくなる疾患のことで、重症化すれば命に係わる病とされ、実際に当時は多くの人が壊血病で亡くなったとされています。

当時の英国海軍の船医であったジェームス・リンド が壊血病に陥った乗組員にレモンを大量に摂取させたことで壊血病が改善したというのがビタミンCの発見の最初のきっかけと言われております。

余談ですが、「アスコルビン酸」の「ア」は抗(アンチ)のことで、「スコルブート(スコルビン)」は「壊血病」のことを言い、あわせて「ア・スコルビン酸=抗壊血病酸」の意味になります。

ビタミンCは壊血病の予防のほか、体内で様々な働きを担っている重要な物質です。(詳細は以下ビタミンのCの働きに記載)

さて、当時の「壊血病」流行の背景には食糧不足によるビタミンCの欠乏が最大の原因であったため、現代社会とくに日本において壊血病が流行することはほぼなくなりました。

しかし一方で「壊血病」とまではいかなくとも、ビタミンCの相対的な不足によって種々の不調を抱える人が増えてきているとも言われています。

ビタミンC不足になる主な要因としては、「新鮮な果物や野菜が不足した食生活」、「インスタント食品中心の食生活」、「農薬や品種改良品によるビタミンC含有量の低下」などが現代の質的ビタミンC摂取量低下の原因として挙げられています。

以下にビタミンCの働きとその不足に伴う身体への影響、また、ビタミンC不足の解消法について記載しております。

1.ビタミンCのはたらき

コラーゲン合成の強化
 骨や軟骨、皮膚、血管の形成に重要となるコラーゲン組織の架橋結合を形成

免疫力強化
 ビタミンCは免疫細胞(インターフェロン)合成の補因子となる/抗ウイルス作用

耐ストレス性
 抗ストレスホルモンと言われているテロイドホルモン産生の補因子となる

代謝力向上
 鉄分、カルシウム、脂肪酸などの各種栄養素の代謝の補因子となる

抗酸化作用
 活性酸素・ラジカルを還元

2.ビタミンCの摂取不足による症状

①皮膚症状
 傷や怪我の治りが遅い/しわができる/シミができる

②結合組織形成不全
 血管/靭帯/軟骨などのコラーゲン線維の形成不良→血管や靭帯組織がたもろくなる

③免疫力低下
 風邪をひきやすくなる→Tリンパ球やインターフェロンなどのサイトカイン産生力の低下によりウイルスに対する抵抗力が落ちる

④ホルモン系の異常
 ステロイドホルモン産生不足(→ストレスに弱くなる)

 ステロイドホルモンは抗炎症作用も有するので、慢性炎症をきたしやすい

⑤代謝機能低下
 鉄分吸収が低下→貧血傾向/脂肪酸の利用低下→エネルギー産生不足

⑥その他
 体内の活性酸素が処理できない→抗酸化作用低下:老化促進

3.ビタミンC不足解消のために必要なこと

①新鮮な野菜・果物をとる

農薬が多く使われている食材や品種改良品のビタミンC含有量はかなり低下していると言われており、できるだけ自然に近い栽培でかつ新鮮なものをとるのがよいと思います。

②インスタント食品、砂糖のたっぷり入った食品(お菓子など)、食品添加物をできるだけ避ける
インスタント食品や砂糖を体内で処理する際に大量のビタミンCが消費されてしまい、体内の種々の代謝活動の際に必要となるビタミンCが結果的に不足してしまうため、食品をできるだけ避けた方が賢明であると考えられます。

③ビタミンCサプリメントを摂取する
日本人の食事摂取基準においてビタミンCは、成人で1日に100mg(0.1g)の摂取が推奨されています。これはあくまで先ほどの「壊血病」にならない最低ラインの数字であり、壊血病とまではいかなくても上記1で挙げたような種々の症状がある状態の場合、必要とされるビタミンCの量は100mgよりもはるかに多い可能性が考えられます。

先にも記載したように、最近は食品添加物が多く含まれているインスタント食品などを食べる機会が増えてきている人も多いかと思いますが、食品添加物を処理する際に肝臓などの臓器で大量のビタミンCを消費するといわれており、通常量のビタミンCを摂取している人でさえ、実際に必要なビタミンCの量をとりきれていない可能性もあるからです。

また上に記載したようなすでに身体に何らかの症状を抱えている場合、通常よりもビタミンCの要求量は増えると考えられます。

つまり、通常の食品摂取基準に表示されているビタミンCの推奨量(100mg)よりももっと多くの量を摂った方がよいのではないかという考え方です。

この考え方は『メガビタミン療法』や『分子栄養学』と言われており、ビタミンCをはじめとするビタミンやミネラルを症状に合わせてメガ量摂取することが症状の改善(治癒)によりつながりやすいというものです。

もちろん、食事からさまざまな栄養素を摂取するのが最も重要であるのはいうまでもないかもしれませんが、しっかり食事から栄養摂取したうえで、ビタミンCのような食事だけではどうしても不足しやすい微量栄養素をサプリメントで補うという選択肢があるとなおよいのではと考えます。

以下の書籍にこのメガビタミン療法や分子栄養学についての詳細書がかれています。

ご興味のある方はぜひ一度お読みになられてはとおもいます。

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