椎間関節(関節包)由来の腰痛

椎間関節とは

腰椎は、5つの椎体からなり、上下の椎体をつなぐ関節部分を椎間関節と呼んでいます。椎間関節の周囲には関節を保護したり、関節に栄養を供給する役割を担っている関節包が存在します。

関節包は、主に1型コラーゲン線維で形成されており、椎間関節(軟骨面)を袋構造で覆っています。
関節包の内側からは、滑液と呼ばれる潤滑油が分泌され、関節の動きを滑らかにしてくれたり、上記にもあるように椎間関節の保護や、関節軟骨への栄養、また関節内への細菌などの病原体の侵入を阻止する役割も担っております。

椎間関節性の痛み

「椎間関節性の腰痛」ではこの関節包にある神経受容器(ポリモーダル受容器)が刺激され痛みが発生すると考えられております。

ポリモーダル受容器が刺激される要因としては、

①腰椎捻挫(ぎっくり腰含む)や打撲などの機械的刺激や炎症
 外力により椎間関節(包)の炎症機構が働くことで、痛みを発生させる
②分離症やすべり症などの腰椎の構造的変化(異常)
 特にすべり症では、腰椎(椎体)が前方変位することで椎間関節(包)には伸張性の負荷がかかり、この伸張ストレスが関節包に痛みを知覚させやすくなる
③脊椎手術後などの脊椎(椎体)の不安定性
 ②と同様、椎体の構造的変化、不安定性が関節包にとってストレスとなり痛みを知覚しやすくなる
④椎間関節(包)の変性(広義の老化)
 関節包は変性により、弾性が低下し硬くなることで痛みを自覚しやすくなる
⑤椎間関節内への関節包の挟み込み(インピンジメント)
 腰椎の急な運動の際などに関節包は椎間関節内へ陥入することで痛みを発生します。痛みの部類として炎症性の痛みになるため鋭い痛みになります。
などがあげられます。

痛みの特徴は、「ズキっとした」鋭い痛みが特徴的で、痛みは腰椎の運動、特に後屈動作では椎間関節同士が接合するため、この物理的刺激が受容器を刺激して痛みを発症することが多いです。また、炎症症状などが強ければ安静時の痛みが出現することもあります。

また椎間関節由来の痛みの特徴として、「関連痛」というものが起こることがあり、これは痛みが該当椎間関節の近傍だけでなく、骨盤周囲や大腿部後面までに拡がることが多いです。

臀部や大腿部に痛みが拡がることから、坐骨神経痛:ヘルニアなどの神経由来の痛みと間違われることも比較的多い印象があります。

(図:椎間関節由来の関連痛(痛みの拡がり方)

椎間関節(痛)症に対する治療アプローチ

①腰椎(椎体)のアジャストメント
 上下椎体の位置がずれることで、椎間関節の咬み合わせもズレるため、当該椎間関節はもちろん脊椎全体のアジャストメントは必須になります。

②椎間関節包のリリース

 炎症を起こしたり、椎間関節内へ陥入した関節包は多くの場合、線維間で癒着を起こし変性(繊維質)していることが多く、その結果弾力性の低下を起こしこれが痛みを生じさせるため、リリーステクニックを用いて癒着を取り除きます。

③脊髄神経後枝内側枝のリリース/モビリゼーション

関節包が弾力性を失い、硬くなることで関節包内を貫通する脊髄神経後枝内側枝は絞扼されます。神経は絞扼されることで神経内へ流れる血流が低下し、神経線維に栄養が欠乏することで神経性の痛みを生じさせます。触診で神経線維と関節包の絞扼箇所を探り、そこにダイレクトにアプローチします。

④多裂筋などの腰椎ローカル筋群のリリース
原理としては②と同様です。

詳細は当院までお気軽にお問い合わせください。

とくやま徒手療法研究所・施術院

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