ストレートネックの修正

頸椎は、7つの椎骨から成り立っており、軽度の前弯(前方凸のカーブ)を有していますが、ストレートネックとは頸椎の前弯アーチが失われて、前方に向かって真っすぐになってしまった状態のことを表します。

ストレートネックには、背中が丸まったようないわゆる「悪い姿勢」の状態で、長時間のデスクワーク(パソコン作業)をしたりスマホの見すぎなどが原因で、時間経過とともに頭部が前方に落ちて頸椎前弯が消失してしまうといった後天的なものと、もともと頸椎の前弯カーブが少ない、あるいは後弯(後方凸のカーブ)になっているなどの先天的要因のものの2種類が存在します。

ストレートネックの特徴

先ほども記載した通り、ストレートネックは頭部が前方に変位し、頸椎の前弯カーブが消失することで頸椎がまっすぐになってしまった状態を表しますが、ストレートネックに付随して隣接関節も以下のような変形を示すことが多いです。

  • 頭部前方変位(頭部前突位)
    頸椎が前方にストレートになることに付随して頭部が前方に突出してしまいます。
  • 上部頸椎過伸展・下部頸椎過屈曲
    頭部前突位の場合、頸椎の下部(第5~7頸椎)は前方にずれながら屈曲位になり、頸椎の上部(第1、2頸椎)は反対に 過伸展になります。
  • 胸椎過後弯(肩甲骨外転内旋)
    頸椎と頭部の前方変位を代償(カバー)するように、胸椎(背中)は後ろに丸みを帯びた後弯変位をきたします。いわゆる猫背姿勢というものです。
  • 腰椎過前弯(反り腰)あるいは腰椎平坦 と骨盤前方スライド
    胸椎の後弯変位の程度にもよりますが、骨盤は胸椎の後弯(後方移動)に対して前方へスライドし、腰椎はそれに引っ張られるように反り腰(過前弯)になりやすくなります。(腰椎平坦・骨盤後傾になる場合もある)
  • 股関節・膝関節の過伸展
    骨盤が前方にスライドすることで、重心を中心線に保つためには結果的に股関節や膝関節は相対的に過伸展位の状態になります。
  • 足関節の底屈位(背屈制限
    膝関節が過伸展位になり後方へ移動することで、足関節は相対的に底屈位となり、底屈位の状態が長く続くと足関節の背屈制限が出ることもあります。

ストレートネックで起きやすい症状

肩こり・頚部痛・頭痛・めまい・視力障碍・頸椎ヘルニア・肩関節痛・手のしびれ・腰痛 など多くの症状の原因となります。


ストレートネックの場合、上部頸椎過伸展/下部頸椎屈曲+前方すべりが生じやすくなります。上部頸椎の過伸展は、脳に行く血流や神経の伝達障害を引き起こし、これが頭痛やめまいなどの症状を引き起こしやすくなります。

下部頸椎の屈曲変位+前方すべりは、椎間板への負荷を増やすことでヘルニアの原因になったり、頸椎が前方へずれることで頸椎から上半身に伸びる神経(神経根)の圧迫をきたし、腕や手のしびれの症状を誘発します。(頚椎症性神経根症)

ストレートネックに伴った胸椎(背中)の後弯変位は、腕を挙げるなどのスムースな肩関節の運動を阻害し、これが腱板損傷や肩関節インピンジメント症候群などの種々の肩関節痛を引き起こす要因になります。

胸椎の後弯はまた腰椎骨盤、さらには下肢にも悪影響を与えることがあり、腰痛、股関節痛、下肢痛の要因にもなります。

ストレートネックに対する当院の治療アプローチ

①頭蓋・上部頸椎のアジャストメント
上部頸椎は過伸展しながら後方変位(軸椎)しやすくなっており、これらの変位の修正(アジャストメント)は必須になります。

②頚部神経のモビリゼーション
頸椎の変位があると近傍を通過する神経(頚神経)は圧迫や絞扼されやすく、これが頭痛、肩こり、めまいなどの主症状を引き起こします。神経が絞扼されている箇所を丁寧に触診しながらソフトにリリースしていきます。

③後頭下筋群の筋膜リリース
上部頸椎が過伸展すると、上部頸椎と後頭骨に付着している筋群である後頭下筋群はほとんどの場合で硬化、癒着を起こしており、これらの筋群をリリースしていきます。

④下部頸椎の前方滑りの修正(アジャストメント)
上部頸椎に対して下部頸椎特に第7頸椎は前方にスライドするように変位し、これが頭部全体の前方変位を起こすトリガーになっていると言っても過言ではないでしょう。したがって第7頸椎の前方変位の修正は必須になります。

⑤胸椎後弯変形の修正
⑥肋骨内旋変位の修正
⑦腰椎・骨盤のアジャストメント

⑤、⑥、⑦に関しても、ストレートネックの代償姿勢としては典型的なものであり、これらも1つ1つ変位箇所、方向を触診で探りながら修正していきます。

⑧姿勢(重心)の修正 ⇒ 運動療法
上記の手技治療と同じくらい重要であるのが、正しい重心位置(重心線)の感覚を身に着けることです。手技治療で正しい位置に修正してもまた日常生活に戻った際、自分の正しい重心位置を感覚的に理解できていないと、立位姿勢、座位姿勢で重心線から逸脱してしまい、元の木阿弥状態になるからです。

当院では、「正しい重心位置」を感覚で理解し、日常生活でもその「正しい位置」を維持できるような各種エクササイズをお伝えいたしております。

詳細はお気軽に当院までお問い合わせください。

とくやま徒手療法研究所・施術院

電話:078-414-8408
メール:j.tokuyama.labo@gmail.com
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※受付時間:8:00~19:30(19:30施術開始可能)

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