活性酸素とラジカル

活性酸素とラジカルとは

①活性酸素
大気中の酸素よりも(特に体内で)反応性の高い化合物に変化した酸素分子を含む物質の総称で、身体の中で各細胞と結びつくことで様々な反応を生じさせます。

②(フリー)ラジカル
通常は各電子は2つのペアを組んで塩基的に安定した状態を形成しているが、電子のペアが不対(不対電子)になることで反応性が高くなり、状態として不安定になった原子・分子団ことです。体内の細胞とも強く反応します。

③活性酸素とラジカルの違い
よく活性酸素とラジカルを混同しがちになりますが、活性酸素には不対電子(ラジカル)のものとそうでないものがあります。つまり不対電子を持った活性酸素はラジカルの一部ということになります。

分類としては以下になります。

活性酸とラジカルの主な種類

①ラジカル+:不対電子あり
 スーパーオキシド        
 ヒドロキシルラジカル→細胞障害性特に強い
 二酸化窒素/一酸化窒素        
 チイル/ペルチイルラジカル       


②ラジカル-:不対電子なし
 
過酸化水素
 過酸化脂質        
 1重項酸素        
 次亜塩素酸        
 オゾン        
 ペルオキシ亜硝酸 
             

など

活性酸素/ラジカルの身体への作用

①デメリット:様々な疾患の原因となるおそれがある
活性酸素やラジカルが体内の各細胞を障害することで様々な不調や疾患を引き起こす可能性が指摘されています。
(例)動脈硬化、高血圧などの血管障害、ガンの発生、シミやしわの形成などの皮膚の老化、白内障などの眼科疾患、脳梗塞などの脳血管疾患、心筋梗塞などの心疾患、脳機能の低下   、ほか各内臓器疾患  など多数 

②メリット:抗ウイルス作用
体内にウイルスなどの病原体が親友してきた際に活躍するマクロファージやNK細胞などの白血球は自ら活性酸素を放出することでウイルスや細菌を攻撃して増殖を防いでいます。

活性酸素やラジカルは細胞にとって有害であることが多いが上記のように免疫機能の維持としては必要な働きも併せ持っている。つまり、体内で活性酸素やラジカルが過剰に発生することが問題であるということです。

過剰な活性酸素/ラジカルが発生する要因

()内は主な発生場所
● 激しい運動の連続(ミトコンドリア)
● 過剰なアルコール摂取(肝臓)
● 喫煙(肺や血管)
● ストレス(副腎などをはじめ全身)
● 不規則な生活(副腎などをはじめ全身)
● 偏った食生活(各内臓器)
● 過剰な紫外線(表皮細胞)
● ある種の内服薬等の薬物代謝過程(肝臓)
● 環境汚染(全身)
● 放射線被ばく(全身)       

など

過剰な活性酸素発生の防止法

防止法の1つとしては、
体内で発生する過剰な活性酸素やラジカルを除去する物質:スカベンジャーを経口摂取することです。

スカベンジャーの役割は、体内で絶えず発生する活性酸素やラジカルの生成を抑え、水などに変えることで無害化する作用を持ち、過剰な活性酸素やラジカルによって引き起こされる様々な疾患や不調の発生を防御することが期待できると報告されております。

主な抗酸化物質(食物)

ビタミンA
レチノールやカロテンなど体内でビタミンAとして働く物の総称。緑黄色野菜に多く含まれています。

ビタミンC
抗酸化力が非常に強く、活性酸素から細胞や組織を守るほか、インターフェロン合成の補助など免疫機能維持に欠かせない物質で、野菜、果物、芋類に多く含まれています。

ビタミンE
ビタミンEは抗酸化作用の中でも細胞膜のリン脂質の酸化を防ぎ、リン脂質が酸化してできる過酸化脂質の発生を抑えてくれ、ナッツや植物性油脂に多く含まれています。

コエンザイムQ10(ユビキノン)
強い抗酸化力をもちビタミンCの作用を助ける作用を持ち、青魚、豚肉、牛肉に含まれています。

ポリフェノール
スーパーオキサイドや一重項酸素を無毒化する作用を持ち、赤ワイン、緑茶、大豆、ゴマなどに多く含まれています。

アスタキサンチンなどのカロテノイド
スカベンジャーの中でも特に抗酸化作用が強く、ルテインやゼアキサンチンとともに眼の健康にも深く関わっています。サケ、イクラ、エビなどに含まれています。

その他、βカロテン、ビタミンB2(リボフラミン)、亜鉛、銅、セレンなどにも抗酸化作用があります。

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