足底の痛み(バクスター神経)

足裏(足底部)の痛みの中で多いのが足底腱膜炎ですが、ここでは足底部の感覚を支配している「バクスター神経」呼ばれる神経が原因となって現れる足底部痛とその治療方法についてご紹介いたします。

バクスター神経起因の痛みは足底腱膜炎による痛みと非常によく似ており、鑑別を誤りやすい疾患であります。足底腱膜炎に対する治療をしていてもなかなか改善しないなどといった場合、バクスター神経が足底部の痛みの原因になっていることも多いため、2つの疾患の鑑別方法と併せてご紹介していきます。

バクスター神経とは

脛骨神経が踵骨の内側部で、①内側足底神経②外側足底神経③小趾外転筋へ行く神経となり、3本の神経分岐されます。このうちバクスター神経は③小趾外転筋へ行く神経のことを表します。この神経は小趾外転筋の運動支配の他、踵の前内側~小趾の中足部あたりまでの感覚にも関与しています。

バクスター神経が原因となる足底部痛のメカニズム

バクスター神経が原因となる足底部痛のメカニズムは、バクスター神経自体が絞扼(圧迫)されることで生じます。

バクスター神経は以下の3か所でよく絞扼(圧迫)されます。(下図)

①踵骨前内側(母趾外転筋起始部)下方
②足底腱膜起始部下方
③小趾外転筋下方

症状と鑑別診断(足底腱膜炎とバクスター神経炎)

足底腱膜炎の場合、圧痛箇所が踵骨前内方に顕著に出ることが多く、鋭い圧痛となります。(まれに土踏まず周辺に痛みが出る場合もある)。圧痛箇所には熱感や腫脹(腫れ)がみられることもあります。また足底腱膜炎の特徴的な症状として、起床時の第一歩目の痛みが顕著に表れます。

一方、バクスター神経起因の痛みの場合、足底腱膜炎と同様に踵骨前内方の痛みが出ますが、この場合の痛みは、限局的ではなく小趾方向(外側)にまで拡がるような痛みとなり、しびれをともなった痛みとなることもあります。

また神経起因の痛みのため、歩行時や走行時だけでなくじっとしている時(安静時)にも症状が出ることがあります。

バクスター神経炎の徒手治療

①神経モビリゼーション/神経リリース
前述のとおり、バクスター神経は①内側足底神経②外側足底神経③小趾外転筋の3か所で絞扼されることが多いため、絞扼箇所を丁寧に触診で確認し、バクスター神経の走行に沿ってリリースをかけていきます。

②足底腱膜のリリース
バクスター神経が特に足底腱膜や足底方形筋で絞扼されている場合は、同筋をリリースすることが有効です。これは足底腱膜炎の治療でも有効になります。

③足関節の調整
足関節や足底部の関節(骨)のアライメント不良からバクスター神経絞扼になることもあるため合わせて治療していきます。特に踵骨や距骨(距踵関節)、立方骨、第5中足骨あたりが対象になります。

詳しくは当院までお気軽にご連絡ください。

とくやま徒手療法研究所・施術院
兵庫県神戸市中央区布引町2丁目1-13松ビル5階
Tel.078-414-8408

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