脊椎側弯症は、胸椎や腰椎が側方に湾曲(側屈)した状態になることであり、 背骨自体のねじれを伴うことがあります。
主に機能性側弯症と構築性側弯症に分類されます。前者は、主にぎっくり腰などによる痛みを回避するために、側方に背骨を曲げることによって生じる疼痛性側弯や脚長差、骨盤のずれなどの身体の歪みをカバーするために背骨をどちらか一方に曲げることによって生じる代償性側弯に分類されます。
一方、構築性側弯に分類されるのは、特に原因もなく発症する特発性側弯、神経疾患、遺伝性疾患に伴って発症する症候性側弯にあたり、特発性側弯に関しては、全側弯症の70%~80%を占めるといわれております。
また、思春期の女子に発症することが多いと言われいており、ホルモンバランスの変化、その他遺伝的要因が関係する可能性が指摘されておりますが、詳しい要因はわかっておりません。
1.主な症状
胸椎右凸、腰椎左凸側弯のダブル側弯(胸椎だけのシングル側弯の場合もある)を伴うことが多く、症状としては腰背部痛が主になります。
胸腰椎とも、凸側では脊柱が曲げて伸ばされることへの周辺組織(関節包)の痛み、凹側では、関節同士の圧迫による神経性の痛み(腰部で起こった場合には座骨神経痛など)が誘発されます。
側弯が高度な場合(※コブ角50度以上)や、学童期での急激な側弯の進行が起こった場合(半年で10度以上進行したもの)などには、手術療法が考慮される場合がありますが、その場合は専門医との連携も必要になります。
※コブ角: 側弯のカーブの頂点になっている上下の椎体でそれぞれ最も大きく傾斜した椎体のに平行な直線を延ばし、その2本の直線の交差する角度のこと(下図のα(胸椎部)とβ(腰椎部)
2.治療法
①関節運動学的アプローチ(AKT-R)
②筋膜リリース
③運動療法・呼吸トレーニング
・前述の腰背部の痛みに伴う疼痛性側弯や代償性側弯、また日常生活の癖などに伴っておこる側弯症に対しては、改善が十分可能です。主に脊柱全体の関節調整(AKT-R法)で、関節1つ1つのずれを精密に改善させていき、筋肉、関節包の癒着がある箇所には適せんリリースをかけていくことで、症状改善させます。加えて、体幹バランストレーニング、姿勢指導で状態維持を図っていきます。
・一方、学童期に発症する特発性側弯に対しては、慎重な経過観察と、運動療法が重要になってきます。
前述の関節調整法や筋膜リリースも症状寛解には有効ではありますが、運動療法、バランス療法、姿勢指導を中心とした症状の悪化を防ぎながら、経過観察していくことが重要になります。
したがって当院での治療は、運動療法が中心となります。詳細はご相談ください。