足根管症候群

概要

足根管症候群は、脛骨神経(後脛骨神経)が、足首の内側(内果)下方で圧迫されたりすることにより、内果から足底にかけてのしびれを伴なった痛みが生じることをいいます。

脛骨神経は、坐骨神経として始まり、膝窩(膝の裏)で総腓骨神経と別れて下腿後面を下降し、足首に向かっていくあたりで内側へ走行を変え、そのまま内果の後下方を通過します。

内果と踵の骨を付着部として靭帯性の膜が張り巡らされており、これは「屈筋支帯」と呼ばれております。
そして、この内果と踵の骨(踵骨)と屈筋支帯で形成されるトンネル状の部分が「足根管」と呼ばれています。

脛骨神経(後脛骨神経)は足根管を通過しますが、後脛骨筋、長母指屈筋、長趾屈筋、後脛骨動脈/静脈も脛骨神経と並走するように足根管の下を通過します。

  ※図:プロメテウス解剖学アトラスより

足根管は上の写真をご覧いただいてもわかるように、広い構造になっているとは言えず、しかしこの中を4つの筋肉(腱)と血管それに脛骨神経が同時に通過するため、各々が圧迫負荷を受けやすい状態になっています。

そして、脛骨神経が足根管内で圧迫などの物理的負荷を受けたことで、内果周辺~足底にかけて現れる痛みやしびれの症状が「足根管症候群」ということになります。

おもな原因
  • 物理的圧迫
  • 足関節捻挫にともなうもの
    捻挫などの外傷後に後脛骨筋などの下腿屈筋などは拘縮を起こしやすくなります。それが足根管内の内圧を上昇させ、結果的に脛骨神経にも刺激がおよび症状が出現する。
  • 腱鞘炎にともなうもの
    後脛骨筋、長母指屈筋、長趾屈筋は腱鞘があり、これらが炎症を起こすことで、脛骨神経にも刺激がおよび症状が出現する。
  • 外反扁平足にともなうもの
    外反偏平足の場合、距骨下関節は外反位となり、距骨は内下方に変位します。距骨が内下方に変位すると足根管の直径が狭小化することになり、これが結果的に脛骨神経を圧迫し、症状を出現させます。また、単に外反偏平足になることで脛骨神経は引き延ばされる方向に働くため、この伸張性負荷が原因で症状が出ることもあります。
  • 関節リウマチなどの基礎疾患

おもな症状

内果から足底部のしびれをともなった焼けつくような、またはチクチクするような痛みが生じます。足底部の症状は、内側のみや外側のみに出現する場合と足底全体の場合があります。

とくに立ったり、歩いたり、踵部のきつい靴を履いたりすると症状が強くでます。

安静時の症状は最初のうちはないことも多いですが、症状がひどくなったり、慢性的になると安静時にも症状が出現します。

治療法
  • 足関節のアライメント調整
    先ほども記載しましたが、足関節、特に距骨が過去の捻挫などの外傷により、内転底屈方向に変位していることがあり、これは結果的に足根管症候群の原因の一部になるため、関節運動学的なアプローチを使って変位を修正させます。
  • 脛骨神経のリリース
    こちらも先ほど記載したようにあるように、脛骨神経が種々の要因で圧迫刺激を受けることで神経上膜が他の筋線維と癒着しているため、これをリリースしてきます。
  • 後脛骨筋、長母指屈筋、長趾屈筋、屈筋支帯のリリース
    脛骨神経のリリースと同様に各筋線維の癒着を剥がしていきます。
     

 とくやま徒手療法研究所・施術院

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