上位交叉性症候群は、上部体幹において、おもに前後に位置する筋群間で緊張と弛緩のインバランスが生じることで、結果的に頭部前突位や猫背などの不良姿勢を生じる症状のことを表します。
上位交叉性症候群になる原因としては、長時間のデスクワークやスマホ操作など日常の姿勢パターンによることが多いです。これらの作業(姿勢)では、頭部を含む体幹上部の関節は以下のようにサブラクセーション(ズレ)を起こします。
1.頭部前突位
①上部頸椎(過伸展+前方変位)
②下部頚椎(屈曲+前方すべり)
2.胸椎後弯(いわゆる猫背のこと)
3.上部肋骨前方回旋(内旋)(こちらも猫背のこと)
4.肩甲骨外転(内旋)⇒上腕骨内旋(巷でよく言われている巻肩?)
また上記のような作業では、酷使される筋肉とあまり使われない筋肉の差が生じ、前者は短縮性に緊張し、後者は弛緩(弱化)するという各筋群間にインバランスを生じさせます。
各筋群、短縮位で緊張する筋と弛緩して弱化する筋の対比は以下のようになります。
緊張筋 (短縮筋) | 弛緩筋 (弱化筋) |
後頭下筋群 胸鎖乳突筋 僧帽筋上部線維 肩甲挙筋 大胸筋・小胸筋 広背筋 前鋸筋上部線維 上肢屈筋 | 頚部屈筋 僧帽筋中下部線維 菱形筋 前鋸筋下部線維 棘下筋・小円筋 |
上位交叉性症候群による症状には以下のようなものがあります。
1.頚部痛⇒頭部前突位による
2.頚性頭痛、頚性めまい⇒頭部前突位による椎骨動脈の狭窄
3.背部痛⇒胸椎後弯による
4.肩関節痛(インピンジメント)⇒胸椎後弯、肩甲骨外転による
5.上肢のしびれ(神経症状)
上位交叉性症候群に対する徒手的な治療アプローチ法は以下になります。
1.関節不整アライメントの修正
①上部頸椎過伸展+前方変位
➁下部頸椎屈曲+前方変位
③胸椎後弯
④上部肋骨前方回旋
⑤肩甲骨外転
⑥肩甲上腕関節(上肢)内旋
2.短縮筋のリリース&リラクセーション
3.弱化筋の強化(促通:アクティベート)
4.呼吸法
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