頚部のコンディションが原因となる頭痛(頚性頭痛)

頚性頭痛とは

『頚部の神経やそれに支配されている筋肉に存在する侵害受容器に起因する頭部への痛み』
と定義されます。

つまり、
①頸椎の神経
➁頭頚部の筋肉(後頭下筋群)

の緊張や圧迫負荷などによって、頚部にある侵害受容器が刺激された結果、頭痛を生じるということであり、言い換えると、

『頚部の状態が頭痛の原因になっているもの』ということになります。

頭頚部解剖図

頭頚部には、頸椎(上部頸椎)からなる頚神経叢のほか、迷走神経(第Ⅹ脳神経)、副神経(第Ⅺ脳神経)などが存在し、それらが頚部、頭蓋内で連結(連絡)しています。

同様に頭頚部には、僧帽筋や頭板状筋といった比較的大きな筋群(グローバルマッスル)の他、小後頭直筋などの後頭下筋群(ローカルマッスル=いわゆるインナーマッスル)がありますが、

特にこの後頭下筋群の緊張や頚部神経の絞扼が頚性頭痛の原因となります。

頚部の神経/筋肉の緊張や圧迫の原因

①不良姿勢(猫背・頭部前方変位など)
いわゆる猫背は頭部を前方へ変位させ、この頭部前方位は上部頸椎の過伸展を引き起こし、これが後頭部の下で頚部の神経や筋肉を圧迫するため。

②スポーツ外傷・交通事故(むち打ち)など
急激な衝撃が神経や筋肉に伝わり、結果的にそれらの組織が緊張を起こすため

③ストレスなどによる外部要因
ストレス刺激は頚部の神経(交感神経)や頚部の筋肉の緊張を誘発しやすくなるため

なぜ頭頚部の神経筋の緊張や圧迫が頭痛を生じさせるのか

頭頚部の神経は、特に上部頸椎の神経は、頸椎上部で副神経と合流し延髄を経由して橋にある三叉神経へ連絡しており、この三叉神経は、顔面(前額部、眼窩部、上顎部、下顎部)の知覚を担っていますが、頭頚部での異常な刺激(圧迫)があれば、そこに存在する侵害受容器(痛み受容器)が反応し、それが上記ルートを経由して三叉神経(三叉神経脊髄路覚)に伝わることで、それが頭痛として感知されるということです。

したがって、頭蓋内(脳内)には特に異常がなくても頭痛が生じるということになります。


頚性頭痛に対する徒手的治療アプローチ

①上部頸椎のアジャストメント
特に第1-3頸椎の間でわずかなずれが生じていることが多いため、これらをソフトな刺激でゆっくりと正しい位置へアジャストする

②後頭下筋群の筋膜リリース
頭頚部をつなぐ後頭下筋群は繊細な筋組織であるため、刺激を調整しながらリリースする

③頚部神経のモビライゼーション/リリース
後頭下筋群同様、非常に繊細な組織であるので、刺激に気を付けながら丁寧にリリースしていく

頚性頭痛に対するセルフケア

①不良姿勢を改善する
特に猫背・頭部の前方変位姿勢は、頚部の神経や筋肉の緊張を生じさせ頭痛の原因となるので修正が必要②特定の食品をとったときに頭痛が生じていないか調べる (チョコレートやナッツ、赤ワインなど)
※人によって異なるので、これらの食品を摂ること自体が良くないということでは決してありません
③自分に合った睡眠時間を見つける④スマートフォン等の過剰使用を可能な限り避ける⑤できる限り、過剰にストレスを溜めないようにする

補足 脳血管由来の頭痛との鑑別

以下のような症状がみられた場合、迅速に専門医療機関(救急)の受診が必要

①今までに経験したことがないような強烈な頭痛→突然発症した場合は特に注意
②手足のしびれ、脱力感(力が入りにくい)などの症状が伴う場合
③視界がぼやける、一部視覚が欠損している、激しいめまい、など目(耳)の症状が併発している場合
④頭痛が時間と共に悪化している場合
⑤ろれつが回らないなどの言語障害がみられる場合

とくやま徒手療法研究所・施術院

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