肩鎖関節痛

肩の痛みのうち、比較的多いのが肩鎖関節が原因の痛みです。

肩鎖関節は、自転車運転中の転倒や、柔道の受け身などの際に肩(肩鎖関節部)を強打して痛めたりすることが多く、重症の場合には肩鎖関節の脱臼が起こることがありますが、そういった急性の外傷が原因でなくても痛めることがあります。

例えば、ウェイトトレーニングをする人で、特に高重量のベンチプレスやディップスという種目をされる人は、肩関節に水平外転方向の負荷がかかりますが、これは肩鎖関節に負荷が加わりやすい肢位であり、この動作の繰り返しによって肩鎖関節周囲を痛めることがあります。

(下図:ベンチプレスのボトムポジション=肩関節水平外転)

不適切なフォームなどが原因で1回の動作で痛めることもありますが、繰り返しの負荷による肩鎖関節への微細な損傷(=マイクロトラウマ)が原因で損傷が一定以上のレベルを超えた段階で急に痛みや機能障害として現れることが多いです。(痛みの発症はある日突然であるが、水面下で微細損傷が起きているということです。)

痛みの出方としては、以下が特徴的です。

  • 上肢の挙上の最終可動域周辺で急に鋭い痛みが出る
  • 上肢水平内転の最終可動域周辺で肩関節付近に詰まるような鋭い痛みが走る
  • 肩鎖関節(肩鎖靭帯・関節包)の鋭い圧痛

肩鎖関節痛に対する徒手療法の考え方は、

  • 肩鎖関節部でのサブラクセーションのアジャストメント
    肩峰に対して鎖骨が前方回旋変位を起こすことが多く、これが上肢の挙上と水平内転を妨げることにより痛みを生じさせています。このズレ=サブラクセーションの改善は重要です。
  • 肩鎖靭帯の線維癒着の除去
    肩鎖関節部の靭帯や関節包などの軟部組織は癒着を起こしている場合が多く、これが痛みや可動域制限を生じさせているため、これの除去=リリースを行う必要があります。

肩鎖関節痛の予防としては、

  • 不良姿勢=猫背姿勢の改善
  • 胸椎伸展可動域の獲得
  • 肩甲骨内転可動性&筋力の獲得

上記3つはすべて同じことを言っており、猫背姿勢=胸椎屈曲(後弯)=肩甲骨外転となり、この姿勢は肩鎖関節への負荷が増大するポジションになります。肩鎖関節痛予防のためにはこの姿勢と逆の姿勢、つまり、胸椎が伸展できる=胸が張れる=肩甲骨内転可動域の増大が重要になってきます。

とくやま徒手療法研究所・施術院

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